フェラーリらしさを貫く
フェラーリは6月16日、今後市販車に搭載する自動運転テクノロジーについて、「レベル2+」を上限にすると発表しました。
SAE(米国自動車技術協会)が定めたレベル2は、部分的に運転が自動化された車両ですが、運転の主体はドライバーでシステムはあくまで運転を支援する役割にとどまります。
このレベル2よりも高度なレベル2+の部分自動運転システムは、カメラやレーダーなどセンサーと電子制御ユニットと組み合わせることで、交通標識認識や車線変更支援、渋滞支援などを可能にしました。
なおレベル3になると、システムが要求された以外、運転を常時監視する必要がありません。厳密にいえば自動運転はレベル3からになります。
どうして、フェラーリがレベル2+を上限にしたのかというと、スポーツカーブランドとしてのDNAを維持しながら、フェラーリならではの価値を強化することが狙いだそうです。
世界の自動車メーカーが自動運転やEV、コネクテッドカーに注力する中、運転する喜びを維持するために独自の価値を追求するところが、フェラーリらしさといえるでしょう。
自動運転はどこまで進んでいる?
フェラーリも自動運転テクノロジーを搭載するそうですが、各メーカーどのくらい開発が進んでいるのでしょうか。
2022年現在だとアウディが2017年にレベル3システムを発表し、同年発売した新型A8に搭載可能としましたが、法規制を理由に未実装のままでした。
その後、ホンダが2021年3月に渋滞運転機能を搭載した新型レジェンドを限定100台でリース販売し自家用車に置けるレベル3を実現しています。
ホンダに追随する動きを見せているのがドイツのメルセデス・ベンツやBMW、韓国のヒュンダイ、中国勢です。
ベンツはドイツ運輸局からレベル3システムの型式指定を受けていて、2022年中に新型Sクラスのオプション設定とする発表しています。
BMW、ヒュンダイも2022年内に発売される車に搭載予定です。
中国勢は早くからレベル3システムの搭載を喧伝してきましたが、法規制によって実現には至っていません。
その先のレベル4については自動運転バスやタクシーで主流になっていて、日本を含む世界各地で実証・実用化されています。
レベル4になると高速道路などあらかじめ決まったところであれば、すべてシステムが操作します。
自家用車向けのレベル4開発に着手した企業もあり、2024年には中国市場での販売を予定しているそうです。